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アイコン選びと使い方で差がつく!デザインの『アイコン』活用術【SNS・資料編】

Tags: デザイン原則, アイコン, SNSデザイン, 資料作成, 視覚伝達

アイコンはなぜ重要? 非デザイナーが知っておきたい基本のキホン

ビジネス資料やSNS投稿、プレゼン資料など、日々の業務で情報を作成する際に、アイコンを使う機会は少なくないかと思います。アイコンは、情報を視覚的に、そして直感的に伝えるための非常に強力なツールです。

しかし、「なんとなく使っている」「たくさん種類があってどれを選べばいいか分からない」「使ってみたけれど、なんだかまとまりがない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、デザインの専門知識がない方でも、アイコンを効果的に選び、使いこなすための基本的な考え方や具体的なコツを分かりやすく解説します。アイコンの選び方や使い方を少し意識するだけで、あなたの作成する資料や投稿が見違えるように分かりやすくなり、情報伝達力が格段に向上します。

アイコンがもたらす効果とは?

アイコンを使うことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

1. 情報伝達のスピードアップ

テキストだけでは読み込むのに時間がかかる情報も、関連するアイコンが添えられていると、視覚的に素早く内容を把握できます。「メール」「電話」「設定」「ダウンロード」など、多くの人が共通認識を持っているアイコンは、一目見ただけでその意味を理解できるため、情報伝達の効率が大幅に向上します。

2. 限られたスペースでの情報表示

特にSNS投稿や広告バナーのように表示スペースが限られている場合、長い説明文を載せることは難しいです。アイコンを使えば、少ないスペースで多くの情報をコンパクトに表示できます。例えば、ホテルの設備を紹介する際に、「Wi-Fiあり」「駐車場完備」「ペット可」といった情報をアイコンで示すことで、スペースを節約しつつ重要な情報を伝えることができます。

3. 視覚的なアクセントとデザイン性向上

アイコンは、単調になりがちなテキスト情報に視覚的なリズムを与え、デザイン全体に活気をもたらします。適切に配置されたアイコンは、読者の注意を引きつけ、情報に目を通してもらいやすくする効果もあります。また、デザインのトーン&マナーに合わせたアイコンを選ぶことで、プロフェッショナルで洗練された印象を与えることができます。

4. デザインの統一感とブランドイメージ構築

一貫性のあるスタイルのアイコンを使用することで、資料やSNS投稿全体に統一感が生まれます。これは、企業やブランドのイメージを伝える上でも非常に重要です。同じアイコンセットから選んだり、スタイルルールを決めたりすることで、バラバラな印象を防ぎ、信頼感のあるデザインに繋がります。

これだけは知っておきたい!アイコン選びの基本原則

効果的なアイコンを使うためには、いくつか押さえておきたい基本原則があります。

原則1:分かりやすさ(意味の明確さ)

最も重要なのは、「そのアイコンが何を表しているのか」が誰にでもすぐに分かることです。奇をてらったデザインや、一般的でない表現のアイコンは避けるべきです。

例えば、「保存」を表すアイコンとして、フロッピーディスクのアイコンは以前は一般的でしたが、現代ではフロッピーディスクを知らない人も増えています。クラウドや下向きの矢印などがより直感的に理解されやすいかもしれません。

なぜ分かりやすいアイコンが良いのか? → ユーザーがアイコンの意味を理解するために思考を中断したり、誤った操作をしてしまったりすることを防ぐためです。情報伝達の効率が最大化されます。

原則2:一貫性(デザインスタイル)

複数のアイコンを使用する場合、デザインのスタイルを統一することが非常に大切です。スタイルとは、例えば以下のような要素です。

例えば、あるアイコンは線画で線の太さが一定なのに、別のアイコンは塗りつぶしで、さらに別のアイコンは立体的な表現、となると、視覚的に非常にバラバラな印象を与え、デザイン全体の品質が低く見えてしまいます。

なぜスタイルの一貫性が重要なのか? → 視覚的なノイズを減らし、洗練されたプロフェッショナルな印象を与えます。また、同じグループの情報であることを示唆したり、デザイン全体に統一感を持たせたりすることで、読者に安心感を与え、情報の信頼性にも繋がります。

原則3:視認性(サイズ、複雑さ)

アイコンは小さく表示されることも多いため、小さくても形が崩れず、要素が潰れずに認識できる必要があります。複雑すぎるデザインや、細かな線や要素が多いアイコンは、サイズを小さくした際に何を表しているか分からなくなってしまいます。

例えば、小さいサイズで表示されることが多いスマホアプリのボタンや、資料のフッターに使うアイコンなどは、シンプルで視認性の高いデザインを選ぶべきです。

なぜ視認性が大切なのか? → アイコンの機能が果たせなくなる(情報が伝わらない)だけでなく、デザイン全体がごちゃついて見える原因にもなります。特にWebやデジタル資料では、様々なデバイスサイズで表示されることを考慮する必要があります。

原則4:ターゲット・トーンへの適合

アイコンのデザインスタイルは、伝えたいメッセージやターゲット層、そしてデザイン全体のトーン&マナーに合っている必要があります。例えば、子供向けのコンテンツであれば丸みのあるポップなアイコン、ビジネス向けの硬派な資料であればシンプルでシャープなアイコン、といったように、表現したい雰囲気に合わせて選ぶことが重要です。

なぜターゲットやトーンへの適合が必要なのか? → アイコンは単なる記号ではなく、デザインの一部として感情や雰囲気を伝えます。適切にトーンを合わせることで、読者に伝えたいイメージを強化し、信頼感や親近感などをコントロールすることができます。

具体的なアイコン活用例と失敗しないためのヒント

これらの基本原則を踏まえて、実際のビジネスシーンでアイコンをどのように活用できるか、具体的な例とヒントをご紹介します。

1. テキスト情報に添える

2. ボタンやリンクに使う

3. 資料の見出しやセクション分けに使う

4. SNS投稿やインフォグラフィックに使う

NG例と改善イメージ

どこでアイコンを探す? ライセンスにも注意!

アイコン素材は、インターネット上に無料・有料問わず様々なサイトで提供されています。

アイコンを探す際に最も注意すべき点は、ライセンスです。

これらの条件は、素材サイトやアイコンごとに異なります。特にビジネスで利用する場合は、必ずライセンス規約を確認し、規約に違反しないように使用してください。規約を誤解したまま使用すると、後々トラブルに繋がる可能性があります。

デザイナーに相談する際に役立つ視点

もしデザインチームや外部のデザイナーと連携して業務を進めている場合は、アイコンについて相談してみましょう。

デザイン原則を理解することで、「このアイコンは線が細すぎて見にくいですね」「このセクションの見出しアイコンだけスタイルが違うので、他のものに合わせてほしいです」といった具体的なフィードバックや要望を伝えやすくなり、デザイナーとのコミュニケーションがスムーズになります。

まとめ

アイコンは、非デザイナーのビジネスパーソンでも、適切に活用することで情報伝達力とデザインの質を大きく向上させられる強力なツールです。

これらの基本原則を意識してアイコンを選び、テキストとのバランスや配置に少し気を配るだけで、あなたのSNS投稿や資料はより多くの人に正確に情報が伝わり、プロフェッショナルな印象を与えることができるでしょう。

ぜひ、次に資料や投稿を作成する際には、アイコンの選び方や使い方に少し意識を向けてみてください。きっと、その効果を実感できるはずです。