デザイン原則やさしく解説

資料・SNSで使える!デザインの『図形と線』やさしく解説【非デザイナー向け】

Tags: デザイン基本, 図形, 線, 資料作成, SNSデザイン, レイアウト

デザインには、文字や写真、色といった様々な要素がありますが、「図形」や「線」も非常に重要な役割を果たしています。

プレゼン資料やSNS投稿画像、チラシなど、日頃あなたが作成したり目にしたりするビジュアルの中にも、意識してみるとたくさんの図形や線が使われていることに気づくでしょう。

これらの要素は、ただ飾りとしてそこにあるのではなく、情報の見やすさや伝わりやすさを大きく左右しています。しかし、「なんとなく」で使っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、デザインにおける図形と線の基本的な役割から、非デザイナーの方がご自身の業務で効果的に活用するための具体的なコツ、そしてなぜその使い方が良いのか、といった理由までを分かりやすく解説します。

図形や線の使い方をマスターすれば、あなたの資料やSNS投稿が一段とプロフェッショナルに見え、伝えたい情報がよりスムーズに届くようになるでしょう。

なぜ図形や線がデザインで重要なのでしょうか?

図形や線は、単なる装飾ではありません。これらは情報を整理し、構造を与え、視覚的なコミュニケーションを助けるためのパワフルなツールです。

主な役割としては、以下のようなものがあります。

これらの役割を理解することで、あなたは「なんとなく線を引く」「なんとなく丸で囲む」のではなく、「なぜ」それを使うのか、という意図を持ってデザインできるようになります。この「なぜ」が明確になると、デザインの質は格段に向上するのです。

図形と線の基本的な役割と具体的な例

それでは、図形や線が具体的にどのような場面で、どんな役割を果たしているのかを見ていきましょう。

1. 区切り線(ライン)

最も一般的で、しかし非常に重要な使い方が、情報の区切りとして線を使うことです。

線の「太さ」「色」「種類(実線、点線、破線)」を変えることで、区切りの強さやデザイン全体の印象を調整できます。例えば、重要な区切りには太い線、緩やかな区切りには細い線や点線を使う、といった工夫ができます。

2. 囲み(図形)

長方形、円、角丸四角形などの図形を使って、特定の情報を囲む方法です。

図形の「形」「色」「線の太さ」「背景色の有無」によって、強調の度合いや雰囲気が変わります。目立たせたいからといって派手な色や太すぎる線を使うと、全体のバランスを崩してしまうこともあるため注意が必要です。

3. マーカー・矢印(図形)

特定の場所を指し示したり、順序や流れを表現したりする際に使われます。

矢印の「向き」「太さ」「色」「先端の形状」などを調整することで、意図する情報の流れや強調の強さをコントロールできます。

4. 背景・装飾(図形)

テキストの背景に図形を敷いたり、ページのヘッダーやフッターに帯状の図形を入れたりする使い方です。

ただし、背景や装飾目的の図形は、情報の邪魔にならないよう、色や透過度を控えめにすることが重要です。使いすぎるとデザインがごちゃごちゃしてしまい、逆に情報が伝わりにくくなる可能性があります。

図形と線を効果的に使うための実践的なコツ

これらの基本的な役割を踏まえ、非デザイナーの方が日常業務で図形や線を効果的に使うための具体的なコツをいくつかご紹介します。

  1. 目的を明確にする: 図形や線を使う前に、「なぜこれを使うのか?」「何を伝えたいのか?」という目的を必ず考えましょう。区切りたいのか、強調したいのか、流れを示したいのか、目的によって最適な使い方やスタイルが変わってきます。
  2. 使いすぎない: 多くの図形や線を使うと、画面が煩雑になり、本当に伝えたい情報が埋もれてしまいます。必要最低限の要素で、最大限の効果を引き出すことを目指しましょう。「少ないほど良い(Less is more)」というデザインの考え方は、図形や線にも当てはまります。
  3. スタイルを統一する: 記事の冒頭から終わりまで、あるいは資料全体を通して、同じ種類の図形(例: 角丸四角形)や線(例: 太さ0.5ptの実線、グレーの色)を使うように心がけましょう。これにより、デザイン全体に統一感が生まれ、プロフェッショナルな印象を与えられます。異なる種類の線や図形を使い分ける場合は、それぞれに意味を持たせると、より洗練されたデザインになります。
  4. 余白を意識する: 図形や線の周り、そして図形や線が区切る要素の間に、適切な余白(スペース)を設けましょう。余白があることで、図形や線が息苦しく見えず、それぞれの要素が独立して認識しやすくなります(デザイン原則の「余白」「近接」)。囲み図形の場合、中のテキストとの間に十分なパディング(内側の余白)を取ることで、窮屈さを解消できます。
  5. 情報の階層を意識する: 図形や線を使って要素を強調する際に、情報の重要度(階層)を崩さないように注意が必要です。例えば、本文中のちょっとした補足を強い図形で囲んでしまうと、本来重要な見出しや本文よりも目立ってしまう可能性があります。重要な情報ほど強く、そうでない情報は控えめに、と強弱をつけましょう(デザイン原則の「階層」)。

デザイナーとの連携に活かす視点

あなたがデザイナーにデザインの指示を出したり、フィードバックをしたりする際にも、図形や線の役割を理解していることは非常に役立ちます。

例えば、「ここの注意書きを囲んで目立たせてほしい」と伝える際に、単に「囲んで」と言うだけでなく、「読者がこの点を絶対に見落とさないように、視覚的に強調したいので囲んでください」と、その意図を伝えることができます。

また、デザイナーが使っている図形や線が、情報の区切りなのか、強調なのか、それとも特定の意味合い(例: リンク可能なボタン、非活性要素など)を持っているのかを理解しやすくなります。これにより、より建設的で具体的なコミュニケーションが可能になり、デザインの意図を共有しやすくなるでしょう。

まとめ

デザインにおける図形や線は、地味に見えるかもしれませんが、情報の区切り、強調、関係性の表現、視線の誘導など、非常に重要な役割を担っています。

これらを効果的に使うためには、「目的を明確にする」「使いすぎない」「スタイルを統一する」「余白を意識する」「情報の階層を意識する」といったコツがあります。

ぜひ、あなたが次に資料やSNS投稿を作成する際に、これらの図形や線の使い方を意識してみてください。少しの工夫で、あなたの伝える情報がより分かりやすく、そしてより魅力的に変化することを感じられるはずです。デザイン原則の理解が、あなたの業務を確実にサポートしてくれるでしょう。